ある患者さんから、こう嘆くように訴えられました。
こんにちは。管理栄養士のミントです。
この患者さんには何度も繰り返し栄養指導をしていたので、強く訴えたかったのだと思います。
一人暮らしの高齢男性ですが、大きな病気も経験されていたので、(自分でもちゃんとやらないといけない!)と強く思っていて、いつも自分から栄養指導を受けたいと希望される熱心な患者さんでした。
実際のところはわかりませんが、食べていないという話を受け入れて、栄養指導をしました。
今日は食べてないのに太ると感じたときに振り返ってみて欲しいポイントについて、この患者さんを例にお話ししたいと思います。
基礎代謝が落ちると痩せません
1日中寝てても消費されるような必要最低限のカロリーを基礎代謝と言います。
この基礎代謝が上がれば、少しは痩せるということになります。←残念ながらこれだけでは劇的には痩せませんが。
運動不足が基礎代謝を落とす!
みなさんは運動していますか?
運動しないと脂肪が燃えないため、痩せる体が作れません。これは何となくわかっておられると思います。
でも運動不足で問題なのは、筋肉が痩せちゃうってことにもあります。
筋肉が痩せると結果として基礎代謝が落ちてしまうので、筋肉を落とさない程度の運動が必要ということになります。
年齢が上がれば上がるだけ運動って難しいですが、肩甲骨を動かすことを意識してウォーキングするとか、軽めのダンベル体操とか、筋肉を動かすことを意識した運動を心掛けないといけません。
ただ、年齢を重ねると基礎代謝を上げるにも限界があるし、運動しすぎてお腹が空いて食べちゃう人もいるので(笑)最初は「筋肉を落とさない程度の運動」っていうのを強調しています。
無理な食事制限ダイエットも結果として基礎代謝を落とす?!
無理な食事制限ダイエットとは、偏った食事内容のダイエットです。
〇〇を食べるだけで痩せる
〇〇を食べないで痩せる
食事の回数を減らす
こういったダイエットはどう思いますか?
一旦は痩せるかもしれない。でも長い目で見るとリバウンドしたり、栄養が偏ってしまったりと問題が起こります。
今 食べすぎている栄養を控えることは良いことですよ。(例えば糖質を食べすぎている人が糖質を減らすこと)
でも、極端に糖質を全てやめようなんてことをすると、絶対に他の栄養素(たんぱく質や脂質)をとりすぎることにつながります。
なので、
結構頑張って食事制限したつもりでも、これやっちゃうと痩せないのです。
いっぱい見てきましたよ、そんな患者さん。
栄養バランスのとれた食事をしながらカロリーを減量することが重要なので、もう一度食生活を見直してみる必要があります。
基礎代謝を落とさない食事=「栄養バランス」の良い食事
まず基本ですが、1日3食食べましょう。 これは大前提です。
1食に食べる量のイメージ↓
- お茶碗1杯のごはん(パンなら6枚切り1枚、麺ならだいたい1玉)
- メインのおかず1皿(肉・魚・卵・豆腐などのたんぱく質)
- 野菜のおかず1~2皿(野菜たっぷりのお汁でもOK)
これに加えて、1日のどこかで牛乳や乳製品を1杯と果物をバナナ1本分くらいとれば完璧
(*´▽`*)おやつに持ってきたら食べ過ぎなくてもっと完璧!
ビタミンB群が不足していても痩せない
ビタミンB群とは、ビタミンB1 B2 B6 ナイアシン パントテン酸 ビオチン ビタミンB12 葉酸などの総称です。
1種類のビタミンBだけでは効果を発揮することができないのでB群としてとることが望ましいとされています。
ビタミンB群はあらゆる酵素の補酵素として働いています。
生きるためのエネルギー作りにも欠かせない栄養素です。
不足すると、体中にこんな症状が現れます。
- 集中力がなくなる
- 抑うつ
- 疲労感
- 口内炎
- 神経痛
- 皮膚炎
- 便秘
- アルコールが抜けにくくなる…などなど
そして、ダイエットに関することはここからです。
B群が不足すると糖質や脂肪がうまく燃焼できなくなり、結果脂肪がたまりやすくなる。
B群はダイエットには欠かせない栄養素なので、無理な食事制限で栄養バランスが悪くなって不足すると、摂取カロリーが少なくても、痩せることが難しくなる。
B群は 肉類・うなぎ・緑黄色野菜 などに多い栄養素です。
追い詰めるつもりはなく、あくまでも確認をしました(笑)
水分と塩分のバランスが悪くても痩せない
塩分が多くなると、喉が渇いて水分をたくさんとり、むくんでしまって体重が減らないかもしれません。
実は私の夫がこれでした
私と出会って最初に感じたのは「ミントの食事は味が薄い」だったようです。
この味にしないとダメなのかと悟り、一人の時も減塩を心掛けたらそれだけで結構痩せたんですよ。
「学会で発表してもいいよ(笑)」と言うくらいに。
ただ、
逆に水分を警戒しすぎて減らし過ぎると、代謝が落ちて脂肪が燃えにくくなるので注意です!
薄味を心がけながら、水分を上手にとる。
1日の塩分摂取目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年度版」より)
塩分はなかなか厳しい数字です。1食に2g程度の塩分に抑えないといけないので、減塩を心掛けましょう。
実は気付かないうちに食べているから痩せない
本当はこれなんじゃないかな…なんて疑っていたりして(笑)
でも、自分では気づかないことだってありますもの。
(これくらいなら食べても大丈夫)と思っているつまみ食い程度のものに、意外とカロリーがあることだってある。
ちょこちょこ食べていると、知らないうちに高カロリーになっているかもしれません。
そういったものは、栄養指導時に提出してもらう食事記録にも記載されていないことが多いものです。
「食べたもの全て、全部書いてみて!全部ですよ。」としつこくお願いしても、書いていないことが多い(笑)
そんな時はちょこっと食べるものリストを見せて、「こんなの食べてない?」って聞いた方が早いです。
別に患者さんが隠しているとか、嘘ついてるとかそういうことではないんですよ。
例えば
- 飴
- アルファベットチョコ
- ガム
- 砂糖入り飲料
- するめ
- おかき
こういうのってカウントしなくないですか?
おかずでもそう。
- ウインナー
- ハム
- チーズ
- シーチキン
- 油揚げ
メイン以外のどの料理にもちょい足ししてたら要注意、意外にカロリーが上がってます。
だから、記録するダイエット(レコーディングダイエット)が勧められているんですよね。
栄養指導に提出するためのものではなく、自分のためにやってみて欲しいです。
そして、私たち栄養士は決して粗を見つけて注意しようなんて思っていないんですよ!
一緒に頑張りたい、そのお手伝いをしたい!と思っているのです。
まとめ
食べてないのに太るのはなぜ?と思ったら、5つのことを振り返ってみてください。
- 「〇〇を食べるだけで痩せる」とか「〇〇は食べない」などの偏った食生活で栄養バランスが崩れ、基礎代謝が落ちてしまっていないか
- 運動不足ではないか
- ビタミンB群が不足していないか
- 水分と塩分のバランスが悪くないか
- 食べていることすら忘れるような、ちょとした何かを食べていないか
この男性は、自分は①②だとおっしゃったけど、私の仕入れた情報では、やっぱりちょっと食べているみたいでした(笑)
でも、患者さんの逃げ道も必要です。「多少食べていることが原因の一つかと思う。」とも言われていたので、きっと気づいたはず。
また次回一緒に考えたら良いのだから。
痩せない原因は・・・
栄養士としては、やっぱり食べ過ぎていないのかな?というのを前提で考えてしまいます。
中には水を飲んでも太る人が本当にいるという話もありますが、基本的にはやはり消費と摂取カロリーのインアウトで決まると思います。
できれば自分のために、ぜひ食べたものを記録するダイエットをまずやってみてください。
記録するのが面倒になって、食べなくなることもありますから(笑)
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